あけましておめでとうございます。
2017年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
今年は、年末から風邪をこじらせ遅れてのご挨拶となってしまいました。。。
昨年は、『民泊元年』と称されておりましたが法整備が整わず、いまだ中途半端な状況が続いております。
違法民泊らしき外国人旅行者が出入りするマンションでは、ゴミや騒音の問題が絶えず『民泊』を好意的に捉えている方は少ないように感じます。民泊ビジネスで事業展開を思案されている方でさえ、ご自宅で民泊をやるかと問うと消極的な回答が多いのが現状です。
民泊に対して賛否両論あるかと存じますが、政府は観光先進国を目指し様々な施策を講じております。
その一つに、民泊サービスへの対応(民泊法案の制定)や宿泊施設不足の早急な解消及び多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供(旅館等におけるインバウンド投資)等があります。
昨年9月から、内閣府主導で行われている規制改革会議において、民泊法案や旅館業法の改正案などが議論されており、本年度中(3月中)に国会に提出される見込みです。
旅館業法の改正案では、平成28年12月6日に規制改革会議が提出した『旅館業規制の見直しに関する意見』によると
2. 改革の方策
1つ目は、構造設備の基準の規制について
①客室の最低数(ホテル営業10室、旅館営業5室)の撤廃
②寝具の種類(洋室は洋式の寝具、和室は和式の寝具)の撤廃
③客室の境の種類(洋室については客室と他の客室、客室と廊下等の境は壁造り。和室については壁・板戸・ふすま等による区画等)の撤廃
④採光・照明設備の具体的要件の撤廃
⑤便所の具体的要件の撤廃
⑥客室の最低床面積(洋室1室9㎡以上、和室1室7㎡以上)の緩和・・・必要最小限のものとすべき
⑦入浴施設の具体的要件の緩和・・・必要最小限のものとすべき
2つ目は、玄関帳簿の規制について、「受付台の長さが1.8m以上」の要件は撤廃、ICTの活用等によるセキュリティ面や本人確認の機能が代替できる場合は適用除外とすべき
3つ目は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて旅館業に関する規制について不断の改革を進めるべきである
(旅館業規制の見直しに関する意見より抜粋)
以上の内容が記載されております。
私の気になるところは、玄関帳簿について、ICTの活用により適用除外となる点です。フロント機能の重要性については、私も指摘しているところでございます。第5回の会議で深く議論されておりフロントとは事故対応の中継基地と表現されるように、単なるチェックIN/OUTや精算所ではありません。お客様とコミュニケーションを取る場として、様々なトラブルも回避できる場所です。
客室の最低数が撤廃され1日1組み限定の古民家風高級旅館が登場した場合でもフロント設置は必要とは言いませんが、単純にテレビ電話のような通信機能で代替されてしまうのも物足りなさを感じます。
今後、新たに生まれる小規模の簡易宿所やビジネスホテルでは、ICTの活用によるフロントが無い宿泊施設が増える可能性があります。宿泊者の「安心安全な滞在」と「衛生確保や快適な滞在」のバランスが難しく、今後の課題となると思います。